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メンバーインタビュー:「mRNA医薬品製造のプラットフォーマーとして、次の時代を作っていく」――代表取締役社長:藤澤朋行

※注記…役職については取材当時のものです。

こんにちは。株式会社ARCALIS(アルカリス)です。

私たちARCALISの会社の雰囲気や業務の内容をより詳しく知ってもらうためのメンバーインタビュー。第三回となる今回は、代表取締役社長の藤澤朋行にお話を伺いました。

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Q1.今までの経歴について教えてください。

大学院卒業後に武田薬品に入社し、同社の中央研究所で10年、研究を行っていました。

その後、より研究全体を俯瞰的に見て戦略を考える「戦略研究室」という部署の設立メンバーとして参加し、そこからアメリカやヨーロッパのバイオベンチャーの技術へと投資するCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)の立上げを行ったりをしてきました。

2012年に、ヘルスケア産業への投資を主とする株式会社ウィズ・パートナーズにマネージングディレクターとして参加。2021年からは取締役CIO兼Co-COOを務め、出資先であるアクセリード社が展開する事業のひとつとして、mRNA医薬品の製造に特化した株式会社ARCALISを立ち上げました。

Q2.研究者から戦略室、投資ファンドへとキャリアを進める中で、どのような視座の変化がありましたか?

研究者時代から、自分の研究を進めるために自身の研究の競合先や協力先を意識することが多く、また実際に大学との共同研究なども行っていたので、戦略的な観点はもともと鍛えられていたのだと思います。

また、自身が創設メンバーでもある米国子会社のTakeda Venture,Incに出向していた際には年間で1000社ほどのピッチを聞いていました。その経験を通じて、ヘルステック事業の第一線で研究者が考えていることを読み解く感覚も磨かれたのではないかと思います。

Q3.数多くの技術を見る中で、mRNA医薬品に注目した理由はなんでしょうか?

研究室時代から、技術としてはずっと注目をしていました。
医薬品には原理的に

①タンパク質に化合物を直接作用させる
②タンパク質の設計図であるDNAに作用して、タンパク質の生成を制御する③DNAから指令を送るmRNAに作用して、タンパク質の生成を制御する

という3種類しかなく、③のmRNA医薬品は、医薬品の中でもまだ実用化されていない最後の領域だったのです。

一方、その実用化の道筋については安全性や許認可の問題がありましたが、今回のCOVID-19、いわゆる新型コロナウイルスのワクチンとして脚光を浴びたことから光が見えてきました。

2020年の11月に、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンの有効性が相次いで証明されたという報道を聞いて、改めて「これはいける」と確信を得ましたね。

Q4.市場から見たmRNA医薬品の優位性にはどのようなものがあるのでしょうか。

従来の医薬品と比べて、圧倒的にコストを抑えられるという点です。

mRNA医薬品の原薬は、従来用いられている抗体医薬品と比べると、10分の1の規模の設備で大量生産が可能です。また製造工程に必要なコストも安価です。

さらに安全性という面においても、人体の設計図であるDNAに直接作用するDNA医薬品と比べると、一時的な指示伝令物質であるmRNAに作用する形のほうが優れているとも考えています。

一方、COVID-19ワクチンの副反応が報じられている通り、mRNA医薬品にはまだまだ課題があります。

はっきりとした原因がわかってくるのはこれからではあると思いますが、現状の課題としては、

・医薬品の原薬の純度
・医薬品を包む材料(リピッドナノパーティクル)の原料
・医薬品を包む技術の精度

があると思っています。これらは原薬と製剤の製造技術の進歩に寄与する部分が多いため、両方の技術的な強みを磨き、製造サービスも一気通貫で行うことが強みになると考えています。

かつて抗体医薬品が登場した際、それを薬として製造できる技術をいち早く開発した企業が市場を独占し、大きく業績を伸ばしました。

mRNA医薬品でも同様のことが起きると考えており、だからこそ、私たちがその第一線に立つことを目指しています。

Q5.まったく新しい領域での事業を目指す中で、指針にしていることはありますか。

常に様々なアイディアを持ち、タイミングを見ていることかなと思います。

私は学生時代からどちらかと言えばかなり臆病な性格でして。人前で話すと緊張してしまうし、頭でいろいろ考えてからでないと動き出すこともできない。世間一般の「リーダー」のイメージからは遠いところにいるのかもしれません。

ただ、やりたい事業に対する自分の立ち位置や課題、他人が求めていることを常に考えるようにはしてきました。そうして描いたストーリーに人を巻き込んでいく……ということは、ずっとやってきたことかなと思います。

単純に「やれ」って言ったところで人は動きませんし、やる意味を理解してもらって、自分から進んでやってくれるような状況を作ることは常々意識をするようにしています。

Q6.最後に、応募を考えている、興味を持ってくれている方へのメッセージをお願いします!

いままで研究されてきたmRNAという技術が医薬品として実用化される、という事実にワクワクしてくれる人は多く、社内の雰囲気はとても良い状況です。

その中で個人的には「コツコツと仕事ができる人」がこれから必要になってくるのではないかと感じています。

自分たちの技術が人を救うんだということに誇りを持ちながら、ゆっくりでもいいので技術を着実に習得し、よりよい製品、サービスを開発し続ける……。

そんな仲間と出会えれば嬉しいですし、当社との関わりが将来にわたっても楽しい思い出になれるような会社に成長させていけたらと考えています。

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